映画鑑賞「ばるぼら」

『ばるぼら』(2020)


小説家の美倉はある日
地下道の片隅で酔い潰れる自堕落な女に興味を抱く
女は(ばるぼら)と名乗り、美倉の人生に土足で踏み入って来ます
だらしなく不潔な彼女を初めは蔑みを交えた気持ちで弄ぼうと考えていた美倉ですが、蠱惑的な様子を見せたり男勝りの態度を示す彼女から彼は目が離せなくなり
やがて心には新しい創作意欲が湧き
ばるぼらをミューズのように感じるようになってゆくのでした

しかし
彼自身が悩まされる異常性欲と、彼の名前に近づく不粋な人々の非情さは
容赦なく2人を傷つけようとするのでした
手塚治虫の原作漫画「ばるぼら」は決して褒められる作品とは思えませんが
成年コミック誌への作品発表で人気の回復を図ろうとした手塚のチャレンジと悪戦苦闘ぶりはもの凄い作品として、読む価値はあります


では映画版は?となりますが
原作の暗さや寂しさが好きな人は見ない方が良いかもしれません
原作が描かれた1973年当時、監督の手塚眞は12歳
彼自身も原作から父親の想いを隠しているような気が
私は感じるので………

PHOTOKYO

もっぱら東京で撮った写真の数々

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