映画鑑賞「伊賀忍法帖」

『伊賀忍法帖』(1982)


時は戦国
群雄割拠の国盗り物語が熾烈を極めていた頃
奸計に長けた三好家の重臣、松永弾正のもとに妖しげな人物が現れる
幻術を使いこなし、人心の隙間に蔓延る欲と業を操る謎の男
果心居士

弾正が密かに想う、主人三好義興の正室・右京太夫への邪な気持ちを解き放ち
その想いの丈を以て、さらに大きな夢を見よと囁きかける邪婬の誘いに
弾正の心は、その想いに忠実に生きようと決意を固めます

その頃
伊賀の里の若者、笛吹城太郎は幼馴染みの篝火と夫婦になる約束をして
幸せの絶頂にいましたが
そんな2人を妖しげな5人の僧が襲います

果心居士が弾正に授けた五人衆の襲撃を受けて生き別れになる2人

こうして弾正と城太郎
城太郎と五人衆

やがて待ち受ける果心居士との戦いへと物語は激しく進みます
初見でした
巻き込まれ型の主人公として孤軍奮闘する
真田広之
文句なしのスターぶり
申し訳ないが今のタレントスターが束になっても敵わない、当時22才の大人っぷりを見よ!

そしていきなりデビュー作で3役演じる離れ技を任された、角川映画がコンテストで選んだ新鋭
渡辺典子の大人ぶり
特別賞の原田知世が「時をかける少女」で人気を得るのに対して
彼女はこのあと、角川映画ではなく東宝で「積み木くずし」に主演
こりゃ演技派の道を歩むのかと思いの外
知世人気で泥鰌を探す角川は、彼女にも軽口のミステリーを用意したりと迷走をさせてしまいました

この2人の若者を支えた助演が、アクション映画の至宝
千葉真一(影の軍団ではない、柳生十兵衛の爺ちゃんの役だ)

そして
いやあ、演技の楽しさを存分に伝えてくれる
成田三樹夫、ここにあり

中尾彬も松橋登も影の薄いこと
(^_^)

そうそう、忘れちゃいけません
レンタルビデオ黎明期を迎える前夜
最も輝いていた(にっかつロマンポルノ)のスター
風祭ゆきさんをキャスティングしたのは慧眼

内容よりも、モタレるくらい濃い目のキャストを楽しめる
嬉し懐かしい角川映画でした

PHOTOKYO

もっぱら東京で撮った写真の数々

0コメント

  • 1000 / 1000