映画感想「武士の献立」

『武士の献立』(2013)


加賀藩の料理番、舟木伝内の伜・安信は急逝した兄の替わりに跡目を継ぐ身ですが
包丁捌きよりも木剣を振り回す方が大好きな、典型的な侍気質。伝内の心配はいよいよ深刻でした

ある日、伝内は藩主・前田吉徳の側室・お貞の方に仕える女中の春が、卓越した味覚と料理の腕前がある事を知り
伜の妻にと通い詰め
お貞の方の後押しもあり、遂には婚儀にまでたどり着きます

でも、大変なのはこれから
武張った気質が抜けない安信を一人前の料理方にと願う舟木家の、春に対する期待は否応にも伝わり
二人の仲は中々縮まりません

そんなある日…

(武士の家計簿)の成功に気を良くした松竹が放った平成期の時代劇路線の一本

不器用と思われていた夫の腕を開花させる内助の功を描いた、昔気質な物語です
上戸彩、高良健吾の夫婦ぶりが初々しさを全編通じて感じよく描かれている反面
加賀騒動という(江戸三大お家騒動)の一つを背景にしている事から、突き抜けた明るさが足りないという惜しまれる展開となりましたが
好感の持てる、惜しい作品です

PHOTOKYO

もっぱら東京で撮った写真の数々

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